本格炭火焼ハンバーガー

yukoz2007-07-23


アメリカでは、6月や7月になると庭で炭火グリルを使ってバーベキューを楽しむ人をあちこちで見かける。アメリカ生活にもすっかりなじんできたことだし、この夏から炭火グリルで野外料理に挑戦している。先日、試しにハンバーガーを作ってみたら、驚くほどの美味しさで、ハンバーガーとはこんなに美味しいものだったのかと感動した。

いろいろレシピを調べてみると、アメリカのハンバーガーと日本のハンバーグとは、作り方や材料が根本的に違うらしい。BBQの有名シェフ、ボビー・フレイによると、ハンバーガーの材料には、牛ひき肉と塩とコショウしか使わないという。パン粉も卵もタマネギのみじん切りもナツメグも加えない。アメリカでも、人によっては、ひき肉にステーキソースやタバスコやパン粉や卵やタマネギやニンニクを加えるレシピもあるようだが、この塩とコショウしか使わないレシピには、「アメリカ魂」とでも言うべき、きっぱりとした潔さが感じられるのがいい。そこで、アメリカの炭(チャーコール)メーカーのKingsford社が出している「Complete Grilling Cookbook」に載っているハンバーガーのレシピを参考に作ってみたら、本当に美味しいハンバーガーが完成した。

東京にも、六本木や広尾辺りにはアメリカ風炭火ハンバーガー(900円位)を出している店があったけれど、あの感じに似ているかもしれない。(でもこっちの方がはるかにジューシーで美味。)

<本格ハンバーガーの作り方> (2〜3人分)

○牛ひき肉(Ground Chuck等、脂肪分20%がベスト)…3/4ポンド(約340g)
○塩…小さじ1/2弱
○黒こしょう…小さじ1/4
○ハンバーガー用バンズ…2〜3個
○(好みで)レタス、トマト、タマネギ、ピクルスのスライス、マヨネーズ、マスタード等
○(好みで)ベーコン3枚、チェダーチーズ(又はスライスチーズ)3枚



1)牛ひき肉をまな板の上に乗せ、混ぜすぎないように気をつけながら、フォークなどを使って平らに1.5cm位の厚さに伸ばす。
2)牛ひき肉の上に、塩と黒こしょうを均等に振る。
3)牛ひき肉を、こねすぎないように気をつけながら、調味料が混ざる程度に手で軽く混ぜ、人数分に小分けする。
4)一つずつ丸い形に整えて、中央にくぼみを作り、油を薄く敷いたトレーの上に乗せて、ラップをかけて室温で30分ほど置いておく。(形を整える時に、手で叩きすぎないように注意。)
5)ベーコンは、かりっとするまで炒め、ペーパータオルで脂を切り、半分に切っておく。
6)好みで、焼く直前に、ハンバーグの両面に黒こしょうを多めに振る。
7)炭火グリルを熱し、ハンバーグを乗せて、片面4分ずつ焼く。(ミディアムレアなら片面3分ずつ位。)焼き上がる1分前に、チーズを乗せ、バンズをグリルに乗せて軽く焼き色をつける。
7)バンズにベーコン(1枚の半分)を乗せ、その上にハンバーグ、ピクルス、タマネギ、トマト、レタス等を乗せて完成。(好みで、上に乗せるバンズにマヨネーズやマスタードをぬっておく。)

マヨネーズやマスタードなどは一切塗らずに、ベーコンとチーズのみを乗せたベーコン・チーズバーガーも美味しいです。


■追記

コツは、なんといっても、最初にひき肉をこねすぎないこと。日本のレシピでは、「粘りが出るまでひき肉をこねて、両手で叩いて空気を抜きながら円形の形に整える」という記述がよく見られるが、こうすると、ひき肉がつぶれて詰まってしまい、焼いているうちに肉汁が外へ逃げてしまうので、パサついた仕上がりになる。こねすぎず、叩きすぎず、内側にある程度すき間を残しておけば、肉汁が中に留まり、ジューシーに仕上がる。ちょっとゆるい感じに形を整えておくのが、コツのよう。日本のハンバーガー・レシピに洗脳された私としては、半信半疑に試してみたが、これは本当だった。

牛ひき肉は、脂身が少なすぎても多すぎても味がいまいちなので、脂身20%というのが、ちょうど良い加減に仕上がるらしい。あと、塩小さじ半分というのは、かなり多めのような気がするが、味付けが塩こしょうだけなので、焼き上がってみるとちょうど良い味加減になっている。ぴりっとした味が好みなら、焼く直前にハンバーグの両面に黒こしょうをたっぷり振るのもおすすめ。ガスレンジで焼く場合は、焼き時間を2分ほど長めにした方がよいかも。ただし、炭火グリルで焼いた方が表面がかりっとして、何とも言えない香ばしさがついて美味しさも格別です。あと、意外に大事なコツは、ハンバーグの形に整えてから、ラップをかけて室温で30分ほど置いてから焼くこと。冷蔵庫から出してすぐにこねて、そのまま焼いてしまうと、火が通るのに時間がかかって、肉汁がどんどん逃げてしまうので注意。


■追記2(5/13/2008)

野外ではなく、屋内のキッチンで焼く場合は、オーブンについているブロイラーか、コンロの魚焼きグリルなどの直火を使うと美味しく焼けます。アルミホイルを敷いてから、ハンバーガーの表を7分、裏返して5分位がミディアムの目安。フライパンに油を敷いて焼くより、ブロイラーで焼く方がジューシーでふっくらと仕上がります。焼き目をしっかりつけるのが香ばしさの秘訣。

あと、余談ですが、日本でおなじみの合い挽き肉やパン粉やタマネギや卵などを混ぜるハンバーグのレシピは、ミートボールを作る時にそのまま活用すると、とても美味しくできます。ミートボールを作る時は、しっかり粘りが出るまでこねておくことが大切です。

自家製ハンバーガー・バンズのレシピは、こちら