Gai Pad Bai Kaprow (タイ風チキンのバジル炒め)

yukoz2006-02-19


3年前にNYのクイーンズにあるタイ料理レストランで初めて「Gai Pad Bai Kaprow (鶏のホーリーバジルとチリ炒め)」を食べて以来、なんとかこの味を再現したくて研究を重ね、さらにチャイナタウンで最もこだわりの品揃えで有名なタイ食材店に通い詰めて、タイ人の店主から味の秘訣を聞き出しつつ、ようやくたどり着いた自作レシピです。この店にはタイ直輸入の豊富な調味料やカレーペーストなどの他、タイ料理に欠かせない新鮮な野菜(バジルやライムの葉やチリペッパー等)も週1回入荷するし、しかも各品1〜2ドルという嬉しい安価。NYでもタイの新鮮なホーリーバジルなどはなかなか見つからないので、とても重宝しています。

とてもスパイシーな辛口の炒め物ですが、香辛料は一切使わず、生の唐辛子のみで自然な辛さをかもし出すのが美味しさの秘訣。辛さの好みは、この唐辛子の本数(甘口なら1本、激辛なら5本など)で調節できます。

【鶏のホーリーバジルとチリ炒めの作り方】(4人分)

1) ニンニク3〜4片、生の唐辛子3本はみじん切り、赤いベルペッパー1個、ハラペーニョ・ペッパー1個、タマネギ中1個、ニンジン1/3本、マッシュルーム1個を、くし形か千切りにする。

2) 醤油大さじ2、オイスターソース大さじ1、フィッシュソース(ナンプラー)大さじ2、酒大さじ1、水大さじ4、砂糖小さじ1、生の唐辛子のみじん切り3本分、ニンニクのみじん切り1片分を合わせたソースを用意しておく。もしあれば、スイートチリソース小さじ1、乾燥ホーリーバジルの葉小さじ1、タイのチリ・ガーリック・ペースト大さじ1も加えるとさらに味に深みが出る。(日本の醤油を使う場合は、塩味が強くなるので、半量の大さじ1で十分。)

3) 薄切りの鶏胸肉(450g)は、味がしみこみやすいようにフォークで数カ所穴をあけておき、上のソースの1/3量をビニールパックに入れ、そこに鶏肉を入れて1時間ほど冷蔵庫で漬け込む。

4) 鶏肉を取り出し、両面に小麦粉+片栗粉をまぶしてグリルで焼き、一口大の斜め切りにスライスする。これとほぼ同時進行で、中華鍋に油を熱し、(1)の野菜を炒める。最初にタマネギとニンジン、その後ニンニク1/3量を加え、残りの野菜をさらに炒めた後、スライスした鶏肉を加え、最後にニンニクの残りを加えて、残りのソースを入れて混ぜる。水分が必要ならチキンストックを少量足す。生のホーリーバジルの葉をあえて火を止め、ジャスミンライスを添えて完成。

(写真左より、タイの醤油、オイスターソース、スイート・チリソース、フィッシュソース、生のホーリーバジル、乾燥ホーリーバジル、生のチリペッパー)


【追記】

生のホーリーバジルを使うのが一番美味しくできますが、なければタイのスイートバジルでもOK。西洋バジルも使えますが、ホーリーバジルのミントが混ざったようなスパイシーな風味がこの料理の決め手なので、西洋バジルだとやや味のしまりがなくなるかも。

鶏肉は最初に一口大に切ってから小麦粉と片栗粉にまぶして炒めるのが一般的な方法ですが、これだと鶏肉がやや固く乾いた感じになるので、できれば面倒でもあらかじめマリネしておいた鶏肉に小麦粉と片栗粉をまぶしてからグリルでさっと焼き、スライスして最後に炒め物に混ぜる方が、鶏肉が柔らかくジューシーな食感になります。(ジョージ・フォアマンの両面グリルなら完璧。)本来のレシピでは使われない酒を少し加えてありますが、こうすると鶏肉のアクが抜けてより柔らかく仕上がるようです。

醤油は、塩味の強いシャープな味の日本の醤油よりも、薄塩のタイの醤油や、甘みとコクのある中国のダーク・ソイソースを使う方が美味しく仕上がります。特に、タイ食材店主のお薦めの「マッシュルームのエキス入り醤油」(中瓶が2ドル)は、薄塩味でさっぱりしているのにまろやかなコクもあり、野菜の甘みを引き出す炒め物に最適。同じくタイの食材店主おすすめの袋入りの冷蔵「チリガーリック・ペースト」も、コクのある味の決め手。これは冷蔵庫に入れておけば半年から1年位もつので、とても重宝します。野菜を炒める時は、ニンニクのみじん切りを一度に入れるのではなく、途中と仕上がり直前に2〜3回に分けて加えるのがコツで、こうすると味がずいぶん変わります。