雑感

9月の東京フェスティバルの航空券代、今回は我々とキース・ロウの3人分だけだというのに、何という高額…。燃料費も上がり続けているし、世界中で異常気象が広がってきているし、これから先、海外でフェスティバルを開くことが難しくなるかもしれない。というか、日本に行こうと思えば年に1回位は何とか行けたという状況すら、これからは難しくなるような気もする。アメリカの各地では洪水が頻繁に起きつつあるし、あのニューオーリンズを襲った天災がいつどこで起きてもおかしくないという時代になりつつあるのだろうか。いつ世の中が終わるかわからないので、今できることは今のうちに、なるべく早いうちにやっておいた方がいいかもしれない、と思うこの頃。

日本に帰ることができるのも、もしかしたら今回が最後になる可能性もあるし、9月に帰国した際には、ついでに父方と母方の先祖のお墓参りにも行っておこうと計画を立てている。いざという時に、日本とアメリカのどちらにいたいか…と自分に問うと、いつの間にかアメリカにいたいと思う自分になっている。日系スーパーで切り干し大根や油揚げや味噌や酢などのシンプルな食材と調味料が買えさえすれば、後は国産の食材を使って和食もどきも作れるし、アメリカで手に入る食材でも、醤油やわさびや生姜やごま油を上手く使えば、結構和食に近い味を出せることがわかってきたし、まあ大丈夫だろう。食べ物以外にはあまり日本のものを懐かしく思わないようになってきた(というか、これがなくても十分生きられる、という見切りの付け方が身についてきた)し、外国に適応して暮らすというのは、思っていたほど難しいことではないのかもしれない。思えば日本にいた頃は、便利な物に囲まれすぎていたせいか、どうでもいいような物をいつまでも取っておいたり、節約していたつもりでも案外無駄な買い物をしていたなあ、とつくづく思う。「最低限、これは絶対に必要」というのが自分にとって一体何なのかは、簡単にモノが手に入らないミニマルな状況の中でこそ、見えてくるのかもしれない。そうしたミニマルな状況に自分を置くことで、自然に浮かび上がってくる大事なものだけを見極めていきたい。