Barry Weisblat Quartet


ソーホーのグリーン通りのルーレットで Barry Weisblat の即興カルテットを聴いてきた。メンバーは、Barry Weisblat (electronics)、ショーン・ミーハン(perc)、マルガリーダ・ガルシア(bass)、ティム・バーンズ(perc)。今のNYの即興シーンでおそらくもっとも注目されるミュージシャンたち。マルガリーダ・ガルシアはポルトガル出身で、この2年ほどNYでよく活動している。この数年NYの即興シーンはいまいちぱっとしなかったのだけど、この人たちの出現でようやくまた面白みが出てきた気がする。今のNYで日本やヨーロッパの即興シーンと肩を並べられるのはこの人たちしかいないかも、と思ったり。即興演奏に「静寂」の要素を勘違いせずに取り入れられるデリカシーを持っている人たちという意味でも。

NYでもエレクトロニクスとアコースティック楽器の即興を組み合わせた音楽は前からあったけれど、たいてい電子音をやたらと響かせすぎたり、電子音と生楽器の音のバランスがちぐはぐだったり、即興もエッジのある激しい音の熱い応酬という感じで、とぎすまされた聴覚で繊細に音を扱えるミュージシャンはほとんどいなかった。そういう点で、いわゆる“ツァディック系NYダウンタウン臭”から一線を隔てた場所にいるショーン・ミーハンやティム・バーンズやマルガリーダ・ガルシアらの“静的な”音がこれからどんな方向へ向かっていくのかとても楽しみだ。


※ 写真左上:Barry Weisblat (electronics)、右上:ショーン・ミーハン(perc)、マルガリーダ・ガルシア(bass)、ティム・バーンズ(perc)、左下:マルガリーダ・ガルシア(bass)、中央下:ショーン・ミーハン(perc)、右下:ティム・バーンズ(perc)