今年の夏もそろそろ終わりだなと思いながら、久々にフェネスの「エンドレス・サマー」を聴いている。この人の音楽に対するイノセントで素直な感動と優しい情感がとても好きだ。ただのポップな曲に過ぎないとは、私は思わない。自分の心の声をありのままに何の虚飾も気取りもなく電子音でストレートに表現する、それはけっして簡単なことではないし、誰にでもできることではないと思う。アートっぽくあろうとか、前衛的であろうとか、そういう気構えなしに誰にどう思われようとも自分がいちばん聴きたい音楽を作れる人って案外あまりいないような気がする。