erstwordsに杉本拓の評論転載

海外向け音楽評論サイト〈erstwords〉に、このたび杉本拓による音楽評論の英語版が転載されました。2006年にフリーペーパー『三太』vol.1に掲載された同氏の評論「ふたつの世界」を、杉本氏の承諾を得て英訳させていただいたものです。日本語の文章というのは、なぜか英訳してみると論理の確かさやポイントの明確さがよくわかり、それがどれだけしっかり構成された文章かというのがわかるもので、この杉本さんの評論はその点、無駄な表現が一切なく、近年の停滞気味の即興シーンの問題点(多くの人が漠然と感じながらも、言葉で表現できなかった本質)を鋭く指摘した素晴らしい評論だと思いました。4年前に書かれた文章とはいえ、海外ではここで言及されている即興の現在に対する危機感というのが、最近になってようやく意識され始めたという状況なので、海外向けとしてはタイムリーな内容だと思い、転載させていただくことにしました。

□ Two Worlds - by Taku Sugimoto
http://erstwords.blogspot.com/

■追記
上記の杉本氏の評論、erstwordsへの掲載後の数時間のうちに、世界各地の読者から続々と「素晴らしい論考だ」という絶賛の声が届いています。現状に疑問を投げかけることにより波風が立つのを恐れて核心を突くことを避ける傾向のある日本の中で、このような真摯な評論が生まれたというのは、素晴らしいことだと思います。