オバマ氏当選

昨夜は大変な騒ぎでした。8年前にブッシュ氏が当選した時には、選挙当日にあちこちで投票人の足止めが起こるなど怪しい動きがあったり、4年前にはケリー氏が勝ちそうな勢いだったにも関わらず最後の土壇場でブッシュ氏の勝利に終わったし、今回も何が起こるかぎりぎりまでわからない…と半信半疑だったので、オバマ氏の当選が確定した瞬間には、本当に奇跡が起きたように嬉しかったです。あたかも新年を迎える大晦日のような一日でした。

ただ、ほとんどのメディアの報道が、一斉に「初の黒人大統領」と呼んでいるのがちょっと気になりました。オバマ氏は半分黒人の血が入っているとはいえ、母親は白人なのだし、育ったのも白人家庭なのに、見た目が黒人なのでアフリカ系アメリカ人、と呼ばれるんですねえ。正確には、アフリカ系アメリカ人の血を引く大統領が誕生した、ということで、もちろんそれ自体がアメリカにすれば大変な変革なのですが。

いずれにしても、多様な人種背景をもつ人が大統領になるというのは、アメリカという国が変わる上で理想的なことなのでは…と期待しています。何よりも、近年のアメリカで初めて言動を信頼できそうなリーダーが誕生したのは嬉しい限りです。昨夜の当選が確定した直後のオバマ氏のスピーチも、喜びに浮かれた感じはなく、とても冷静沈着に厳しい表情で今後なすべき課題を語っていたのも、好感が持てました。ただ、それでもいまだに国民の47%は、このアメリカの悲惨な現状を目の当たりにしているにも関わらずマケイン派だったというのは信じがたいことです。オバマ氏による実際の言動が、今後数年間にアメリカ国民の意識を改善してくれることを願うのみです。

アメリカ人の大半が、いつかゴミの捨て方に気を遣うようになるほど環境問題に敏感になる日が来るとしたら、それこそ奇跡ですが、オバマ氏の良い影響が若い世代を中心に広がれば、それも可能かもしれない…とポジティブに未来を考えられるだけでも、凄い変化です。