Southern Corn Bread


南部料理に必ずといっていいほど一緒についてくるコーンブレッドは、見渡す限りとうもろこし畑が広がるアメリカ南部らしい一品だ。オーブンの中で黄色く膨らんでいくコーンブレッドは、「ぐりとぐら」の黄色いカステラのように美味しそう(に見える)。しかも材料に使われるコーンミールは玄米と同じくビタミンやミネラルが豊富だという。アメリカの家庭料理で出されるコーンブレッドというのは、たいてい塩味のみで甘みはなく、ぱさついた感じの味なので、もともとあまり好きではなかったのだけど、こちらに越してから近所のケイジャン料理店でおまけについてきたコーンブレッドがふわりと柔らかくて甘みがあり、とても美味しかったので、その味に近いコーンブレッドを焼いてみようと試みた。

                                                    • -

■コーンブレッドの作り方

1) 耐熱皿にショートニング大さじ3を入れ、オーブンの最上段に入れてからオーブンの温度を450Fに設定する。

2) 大きめのボールにコーンミール(カップ1と2/3)、小麦粉1/3カップ、ベーキングパウダー小さじ1、ベーキングソーダ小さじ1/2、塩小さじ1(バターミルクを使う場合は小さじ3/4)、砂糖大さじ2を入れて、混ぜ合わせておく。

3) 別のボールで卵(大)2個を泡立て、牛乳かバターミルク1.5カップを加えて、軽く泡立てる。

4) オーブンの温度が450Fになったら、粉のボールに泡立てた卵と牛乳を加えて混ぜ合わせ、そこへ耐熱皿の中の溶けたショートニングを加えてさっくり混ぜ、残ったショートニングをまんべんなく塗った耐熱皿にボールの中身を注ぎ込む。再びオーブンに戻して、450Fで20〜25分、表面が黄金色になるまで焼く。竹串を刺してみて、何も付かなければ完成。

5) オーブンから取り出して5分ほど冷まし、切り分けて皿に盛り、バターを乗せて食べる。

※ 余ったコーンブレッドは1個ずつ小分けにして密閉バッグに入れて冷凍庫で保存し、食べる前にレンジで1分ほど加熱してから、バターを乗せて軽くトーストして食べると、焼きたてのように美味しいです。


【追記】

本来のコーンブレッドは砂糖を入れずに塩だけの味付けですが、砂糖を加えた方が少しケーキ風になって美味しくなります。牛乳の代わりにバターミルクを使うのが南部風で、バターミルクを使う方が生地がふんわりしっとりして風味が出ます。(バターミルクの作り方というのは意外と簡単で、牛乳1カップ+酢かレモン汁大さじ1.5を混ぜて20分ほど置けば、家でも簡単に作れます。)このレシピでは甘さ控えめですが、次回はもう少しケーキ風にしてみたいので、コーンミールだけでなく薄力粉の割合も増やし、砂糖大さじ3とバニラエッセンス少々も加えて、どんな味になるか試してみたいと思います。(邪道ですが…。)

■追記その2 (3/6更新)

コーンミールと薄力粉を1カップずつ半々の割合にして、砂糖を大さじ3入れたコーンブレッドも作ってみたら、蒸しパン風にしっとりした仕上がりになって、これもけっこうイケました。コーンミール100%で砂糖なしの南部風コーンブレッドに対して、こちらはしっとり甘めの北部風コーンブレッドと呼ばれているようです。でもやはりコーンミールのつぶつぶした歯ごたえも捨てがたいので、次回はコーンミールを多めにしてみようと思います。バターミルクの風味がかなり良い味を出していますが、入手しにくいので次回は牛乳にヨーグルトを少し足して、ヨーグルト・マフィン風のコーンブレッドも試してみたいと思います。あと、薄力粉を多めにして、オーブンで焼くかわりに蒸し器で蒸して、蒸しパン風コーンブレッドというのもぜひ作ってみたいです。それにしてもコーンブレッド、甘さ控えめの蒸しケーキという感じがかなり気に入っていて、しばらくはまりそうです。