Lasagne Bolognese al Forno


いつか自分でも作ってみたいと思っていたラザニア。今日は家で一日中料理をしていたいという気分の日は、こういう手の込んだオーブン料理を作るのが楽しい。ラザニアにもいろいろあって、トマトソースとリコッタチーズの層を重ねただけのごく簡単なものと、2時間以上煮込んだボロネーズソースとベシャメルソースとパルメザン・チーズを重ねるという手の込んだものもある。前者は南イタリア地方、後者は北イタリア地方のラザニアらしい。いろいろなレシピを研究した結果、やはりここは敬愛するマリオ・バターリ氏のレシピに習って、後者のラザニア・ボロネーズ(所要時間4時間)を作ってみることにした。

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■ボロネーズソースの作り方

これは Ragu Bolognese と呼ばれるミートソースで、今回は牛ひき肉とパンチェッタのみじん切りを使ってみた。バターリ氏のレシピでは子牛と豚のひき肉をメインに牛ひき肉は半量、あとパンチェッタという組み合わせである。バターリ氏のレシピでは香辛料は一切使われていないが、ここでは煮込む時にタイムとオレガノベイリーフナツメグと赤唐辛子のみじん切りを少々加えてみた。ハーブを加える方が肉の臭みが消えてソースに変化が出て、単純な味の仕上がりになりやすいラザニアも飽きのこない味になるような気がする。ちなみにこれは、ラザニアとしては小さめの7x11インチの耐熱ガラス用の分量です。大きめのラザニア容器を使う場合は、分量がすべて2倍になります。(※1カップは250cc)

1) 煮込み用の鍋に、オリーブオイル1/4カップとバター大さじ2を熱し、中火でタマネギ小1個、セロリ2本、ニンジン1/2本、ニンニク3片の各々のみじん切りを透き通るまで炒める。牛ひき肉450gとパンチェッタ100gのみじん切りを鍋に加え、強火でひき肉がバラバラになるようにかき混ぜながら、野菜に混ぜるようにして炒める。(15分くらい)

2) 上の鍋に牛乳1/4を加え、弱火で10分ほど煮る。トマトの水煮カップ1を手でつぶしてから鍋に加え、さらに15分煮る。白ワイン1/2カップとチキンストック1カップを足して沸騰させたら、弱火にして2時間から2時間半ほど煮込む。(ハーブの香りをつけたい時は、タイム、オレガノベイリーフナツメグ、赤唐辛子のみじん切り等を好みで加えると、肉の臭みが消える。)蓋は半分だけ覆っておき、時々表面に浮いてくる灰汁や脂を取り除く。水分がなくなってきたら、水を少々足す。

3) ミートソースがとろっとしてきたら、塩こしょうで調味して完成。火から下ろして、ラザニア用にとっておく。

■ベシャメル・ソースの作り方

Bechamel Sauce と呼ばれるホワイトソースですが、日本のホワイトソースよりもやや塩加減が強めです。少し塩を入れすぎたかなというくらいでも、ラザニアに入れてオーブンで焼いているうちに、その塩みがラザニアパスタに浸透していくのか、出来上がりの味はほとんど塩気を感じさせません。分量は少し多めで、余ったら冷凍保存しておきます。(実際にここで使うのは、ほぼこの半量です。)

1) ソース鍋にバター大さじ5を溶かして、小麦粉大さじ4を加えて、木べらでかき混ぜながら焦がさないように7分ほど炒める。火を止めて、温めた牛乳カップ3を少しずつ加えながら木べらで混ぜ込み、ソースを溶きのばす。すべて混ぜたら、再び火にかけ沸騰させた後、弱火にしてかき混ぜながら10分ほど煮る。塩とナツメグで調味して完成。(塩の分量は、バターリ氏のレシピでは小さじ2となっていますが、これだとかなり塩辛くなります。なので、今回は小さじ1弱にしました。)

2) 完成したベシャメルソースは室温に冷ましておく。


■ラザニアの焼く用意

1) オーブンを375Fに熱しておく。

2) ラザニア用パスタ9枚(230g)を熱湯でアルデンテよりやや固めに茹で、氷を入れた冷水につけて冷ましてから、ペーパータオルの上に乗せて水気をとっておく。

3) すりおろしたパルメザン・チーズ(Parmegiano-Reggiano)をカップ1/2分用意する。好みで、すりおろしたペコリーノ・チーズやモッツァレラ・チーズも用意。

4) ラザニア用の皿(耐熱ガラスなど)の一番底にボロネーズ・ソースを敷き、その上にパルメザン、ペコリーノ、モッツァレラをふりかけて、その上にラザニア用パスタを3枚敷き詰め、その上にベシャメルソースを塗り、その上に再びボロネーズ・ソースを敷く。この層を3回繰り返して、一番上にベシャメルソースが乗るようにする。

5) ラザニアの上にパルメザン・チーズをふりかけ、大きな平たい耐熱トレーにラザニア皿を乗せて、隙間のあるテントのようにおおまかにアルミホイルで覆う。(中に隙間をたっぷり入れる。)

6) これを375Fのオーブンで30〜40分焼く。ラザニアパスタの縁に焦げ色がついて、中の層が泡立っていたら完成。オーブンから取り出して10分ほど休ませてから、切り分けて皿に盛る。

■追記

ラザニアというとリコッタチーズがよく使われていますが、リコッタチーズを使わない方が、ラザニア全体の味が漠然とした感じにならず、やや引き締まった味になります。リコッタチーズのもわっとした味が苦手な人は、このように、代わりにベシャメルソースやパルメザンやペコリーノやモッツァレラを使うとよさそうです。ちなみに調理時間は、ボロネーズソースを作り始めてからラザニアが焼き上がるまでの過程に5時間半かかりました(汗)。