iPodに入れておいたベルリンのフェスティバルの写真をiBook経由でCD-Rに焼く作業にようやく取りかかる。日付と場所とバンド名とミュージシャン名ごとのフォルダに仕分けしながら、とりあえずアーストワイルに送るベルリンのメイン会場3日分とサブ会場1日分の写真を2枚のCD-Rに焼いた。1日に250MB分もの写真を撮っていたのか…と愕然となる。でも、それをあっという間にCD-Rに焼けてしまう、iBook G4のデジタル処理の早さにもおののく。

5年前にアナログの一眼レフを使っていた頃は、ニューヨークで撮影した写真を日本に送るのにものすごい苦労をしていたのだなあ、とあらためて思う。当時は、撮影したフィルムをプロラボに現像に出して、仕上がったネガをレンタルラボに持っていって自分でプリントし、それをフェデックスで日本へ送っていたけれど、一回の撮影分で2万円くらいの経費が飛んで行ったように記憶している。プリントしている最中に印画紙が足りなくなって、近くの美大の写真用品売り場まで走っていったこともあった(汗)。

でもレンタルラボというのは楽しかった。マンハッタンの狭いアパート暮らしをしている写真家たちは、自分の暗室をもてないことが多いので、こういうレンタルラボを利用している人が多い。暗室が30室くらいあって、洗い場は共有で、商業写真家から芸術写真家までさまざまな人が来ていて、そういう人たちの作品や作業の手順を横目で眺めているだけでも、ずいぶん勉強になったように思う。ネガをビューアーでチェックしていると、「あっ、そのネガいい仕上がりだねえ」なんて隣から話しかけてくる人もいたりして、コダックのフィルムの微妙な違いなんかについて話し込んだりした。自分の経験からいろいろとアドバイスをくれる親切な写真家の人もいた。アナログ時代のよい思い出である。それにしても、音楽の写真を撮っている人には、いい人が多いような気がする。