Michael Pisaro/Barry Chabala ライブ@ブルックリン

1月30日にブルックリンの〈fotofono〉で、マイケル・ピサロ(写真右)とバリー・チャバラ(写真左)のデュオライブを観てきました。彼らの新譜「black, white, red, green, blue」のカセットテープ・リリースライブということで、2台のエレキギターのためのピサロの作曲『rapport abstrait』の演奏でした。ニューヨークではめったに聴けない静寂の間の多い弱音系ライブで、この心地よい緊張感は、まるで東京のループラインで杉本拓さん系のライブを聴いているかのような清々しさでした。2台のエレキギターで、ここまで静寂に包まれた演奏ができるものなのかと驚かされ、この数年間にNYで聴いた最高のライブでした。こういうWandelweiser派の演奏家による音楽は、たいていCDでしか聴いたことなかったのですが、たまにこうしてライブ演奏を聴けると、心が洗われるような気がします。これからも、こういうライブ、ニューヨークでどんどんやってほしいものです。

ブルックリンの〈fotofono〉は、ビジュアル・アーティストが自宅のロフト風アパートの居間で時々小さな無料コンサートを開催している所ですが、こぢんまりした場にも関わらず、意外にもとても良い音響でした。外の電車の通り過ぎる音や階上の住人の足音などが、くぐもった感じに時々音楽に混ざって、しんとした静寂の演奏の中に良い感じに溶け込んでいたのが良かったです。