雑感


ニューヨークで出会う本当に「タフな人」というのは、攻撃的・好戦的な強さをもつ人ではなく、何があっても動じない不動の強さとでも言うか、心身に1本の強い芯をもった人だと思う。競争心や野心の強い人や、アクの強い性格の人が多いニューヨークでは、自分のコアにしっかりした芯をもっていないと、周りからの影響を受けて流されてしまったり、精神的に参ってしまいやすい。どんな影響や攻撃を受けても動じないタフさというのは、よくヨガや太極拳や気功などをやっている人に見られる。おそらく、正しい姿勢と歪みのない柔軟な脊椎をもつこと(脊椎が歪んでいると体の臓器だけでなく神経系統にも乱れが生じるらしい)と、瞑想により精神的に揺らぎのない強さを身につけるというのは、ニューヨーク生活者が生き抜く上で必須の条件のような気がする。どんなにアクの強い好戦的な人でも、心身に不動の芯をもっていない人は、冷静に観察していると、奥にその弱さが見え隠れすることがある。彼らの強さは感情や感傷の強さであって、本当の意味での精神の強さではない。ヨガや気功をやっている人がもつ控えめながらも静かな強さ、受け身のようでいて自分の芯をしっかりもっている人の柔軟性を伴う強さというのは、バランスが安定していて美しい。