ニュース原稿の面白さ


食べ物関係の文章と写真は、最近地元のフリーペーパーの方に掲載するようになったので、こちらにはなかなか載せられなくなりました。NYのレストランやシェフの料理のエピソードは、名前に「じゃ」のつく週刊ペーパーに掲載していますので、ニューヨーク近郊の方はそちらをご覧ください。

ところで。最近ニュース原稿を書くことが増えて、日本語の面白さを再発見している。ニュース記事というのは、無駄な表現をぎりぎりまで刈り込んで客観的に事実を並べるものなのだけど、こういう作業はとても勉強になって面白い。書き手の自己主張や感情から完全に切り離された文章を書くという行為は、ある意味で書き手をエゴから解放する浄化作用でもあり、自分の意見を主張する文章を書くより客観的な記事を書く方が、むしろ自由な解放感を得られるような気がする。事件の悲劇性やおかしみというのは、淡々とした事実の羅列にこそいっそう強調されるものであり、書き手の主観やエゴが一切入らない文章から伝わる事実の力強さというのは、行間を読み取る日本人のメンタリティに訴えかけるものなのかもしれない。それはミニマルな音楽にこそ表現できる無限の広がりにも似ているような気がする。