Buttermilk Pancake

yukoz2006-03-09


昔、実家のある三鷹の近くに「IHOP」というパンケーキのファミレスがあって、学生の頃よく地元の友達と待ち合わせて通っていた。山小屋風の大きな吹き抜けのある広い店は、デニーズやロイヤルホストなどよりずっと開放感があり、しかもパンケーキ3枚とコーヒー(お替わり自由)付きで350円という価格も嬉しかった。ふわりとした生地を薄めに焼いたパンケーキの層の上に、あっさり味の白いバターが乗っていて、メープルシロップや蜂蜜をかけて食べるのがけっこうやみつきになる美味しさだったのだけど、ファミレス・ブームが起きる前にいつの間にか姿を消してしまった。「インターナショナル・ハウス・オブ・パンケーキ」などというふざけた名前だし、てっきり和製のファミレスかと勘違いしていたのだけど、IHOPというのは実はアメリカのチェーン店だったのだとアメリカに来てから知った。なるほど、あの広々としたログハウス風の店の空間はアメリカ風だったのか。

家でパンケーキを作っても、なかなかあのIHOPのふわりとした軽いパンケーキにならなくて、いったい何が違うのだろうとずっと考えていたのだけど、アメリカの料理番組によると、牛乳ではなくバターミルクを入れると、あのふっくらしっとりの生地になるらしい。

パンケーキのレシピをいろいろ検索すると、たいてい生地に溶かしバターを加えているけれど、先日南部料理のベテラン、エメリル・ラガッシの番組を見ていたら、バターではなくサラダ油を加えていた。パンケーキの上に乗せる白いあっさり味のバターは、どうやら無塩バターのよう。あと、たいていのレシピでは生地を混ぜた後にすぐ焼くという方法が多いけれど、ここでは生地を混ぜた後に1〜8時間ほど冷蔵庫で休ませてから焼くという、これまた目からウロコのレシピだった。生地を休ませることで、不要な泡が消えて生地がしっとりするという。実際に作ってみたら、今までで一番おいしいパンケーキができた。砂糖と塩が控えめなのもポイントかも。

■バターミルク・パンケーキの作り方 (2人分、1カップ250cc)

1) ボールに小麦粉1カップ、砂糖小さじ1、塩小さじ1/4、ベーキングパウダー小さじ1を混ぜて、ふるいにかけて振るっておく。

2) 別のボールに卵1個を泡立てて、バターミルク1カップ(又は牛乳2/3カップ+ヨーグルト1/3)、サラダ油大さじ1/2を加えて混ぜる。

3) 粉のボールに液体の中身を混ぜながら注ぐ。(あまり混ぜすぎないこと。少し粉のだまが残る程度でよい。)

4) 混ぜたボールにラップをかけて、冷蔵庫で1〜8時間休ませておく。焼く前に冷蔵庫から取り出し、液が少し固めだったらバターミルクか牛乳を少し足して、程よい柔らかさに戻しておく。

5) 鉄板かフライパンを熱して油を塗り、パンケーキの液を1/2カップ分ずつ流し込み、中火で焼く。焼き上がったパンケーキを皿に盛り、1枚ずつの上にメープルシロップ等を塗り、好みの枚数を重ね、好みでパウダーシュガーをふり、無塩バターを乗せる。温めたメープルシロップを添える。

●追記

 最近はコーンブレッドやビスケットにもバターミルクを使うことが多いけれど、バターミルクの代わりに牛乳3/4カップ+ヨーグルト1/4を混ぜると、バターミルクに近い風味が出るので、入手しやすく日持ちもする牛乳とヨーグルトを使うことが多い。これにレモン汁大さじ1も加えるとレモンの風味がほのかについて、これもなかなか美味しい。バターミルクの代わりに、牛乳1カップに酢かレモン汁大さじ1.5を加えて自家製バターミルクを作るというのも試したけれど、牛乳3/4カップ+ヨーグルト1/4を混ぜたものが、いちばん本物のバターミルクの味に近くなるような気がする。