Entries from 2008-01-01 to 1 month

Erstwhileからの緊急リリース作品決定!

緊急リリースというのも大げさですが、Erstwhileから下記のCDを3月下旬にリリースすることが決定しました。 - ■Graham Lambkin / Jason Lescalleet「The Breadwinner」(Erstwhile 052) グラハム・ラムキンは、ニューヨーク州郊外在住のイギリス人ミュージ…

文章を書くという行為

北杜夫の娘斎藤由香さんが、以前『サンデー毎日』誌上で父の躁うつ病について語った時の話が、ある人のブログに載っていた。 http://blog.so-net.ne.jp/bookend/2007-04-30「しかし、伯父(斎藤茂太)や父(北杜夫)は、どんな人も気持ちを病むことはあって…

The Magic I.D. のLPテスト盤試聴

The Magic I.D. の新譜「till my breath gives out」のLPテスト盤がプレス会社から届いたので、早速試聴してみました。アーストワイルで作った初めてのLPなので、喜びもひとしおです。スピーカーとヘッドフォンの両方で試聴しましたが、アコースティック・ギ…

Sachiko M / Sean Meehanのデュオ @ The Menil Collection (from 2007)

米ヒューストンの「メニル・コレクション」美術館で開催された〈sound observations〉2日目のライブは、同敷地内のリッチモンド・ホールでのSachiko M(サイン波)とショーン・ミーハン(パーカッション)のデュオだった。リッチモンド・ホールは、広々とし…

アート作品と音楽はどこまで共鳴できるのか(2)

昨年6月に聴いたヒューストンの「メニル・コレクション」美術館でのライブのうち、Sachiko Mとショーン・ミーハンのデュオのレビューをようやくまとめたので、遅まきながらこちらに載せます。せっかく良いライブを聴く機会があっても、写真を撮ることの方に…

甘く優しい日本の記憶

アメリカで暮らしていると忘れてしまいそうになりながらも、時折何かのはずみでふと思い出される、甘く優しい日本の記憶というのがある。春風の匂い。春の宵のぬくもり。夏の午後にアスファルトの上で揺れる白い光と影。夏の夕暮れの匂い。蝉の声。虫の声。…

個人と環境の分離体験について

少し前に、音と音楽の分離体験について思うことを書いたのだけど、人間と生まれ育った環境との関係にも、同じようなことが当てはまるかもしれないと、ふと思った。生まれ育った土地で長年培った記憶から、ネガティブな記憶や感情をすべて取り除くことは難し…

哀れみていたわる心

「哀れみていたわる」という仏教の言葉が、このところよく心に浮かぶ。これも日本人ならではの心情だろうか。アメリカ(というかニューヨーク)では感傷に浸るにはあまりにも唐突で残酷な現実が目の前にあって、人々は現実を生きるのに精一杯という気がする…

即興音楽と詩について

故清水俊彦氏の著書『ジャズ転生』の中の「即興の哲学に向けて」という章に、こんな言葉がある。「そして次に、即興は詩的理解を養い育てるものだと言っておきたい。つまり、即興が〈わかる〉ようになれば、その瞬間に心で触れることができるようになれば、…

iPodを聴かなくなったこと

iPodを片時も話せなかった時期というのは、ちょうど日本からアメリカへ移住する前後の頃で、iPodというのは、これから劇的に変化する生活環境の中で何とか自分を保ち続ける上で必要な道具だったのかもしれないと、今になると思う。特にアメリカに住むように…

モミの木の話

ニューヨークでは、毎年1月の今頃になると、使用済みのクリスマスツリーが路肩に積み重ねられ、市の清掃トラックが巡回して、これを回収していく。日本のゴミ出しのように、「モミの木回収週間」というのがあるらしい。その全部を集めたら小さな森が一つ作…

北里義之著『サウンド・アナトミア』

この年末年始は、大谷能生氏の『貧しい音楽』(月曜社)と北里義之氏の『サウンド・アナトミア』(青土社)を続けて読破した。どちらも読み応えのある本なので、じっくり時間をかけて読み、昨日ようやく北里氏の本を読み終えた。いや、これは本当に感動した…

フットボール猫

スーパーボアリング(超退屈)なスーパーボールと呼んで、正月早々、周りのフットボール・ファンのひんしゅくを買っている私です。アメリカの正月というのはフットボールのテレビ中継で盛り上がるのが伝統らしいが、そんな伝統を持たない私には、魚をくわえ…

歌の話

毎年、東京に帰る度に、吉祥寺で週1回練習している女声合唱団に飛び入りで参加させてもらっている。中学時代には武蔵野市の合唱団に参加して、毎日のように歌っていた。大人になってからも、時々地元の女声合唱団でアルトの要員が足りない時には、知り合い…