実験音楽ウエブマガジン「surround」来月創刊予定


来月、米国を拠点に、実験音楽を扱うウエブマガジン「surround」が創刊されます。その初刊号に寄稿する長文の音楽評論を、数日前にようやく書き終えました。題名は「Silence, Environment, Performer」というもので、ヴァンデルヴァイザー派を代表する5人の作曲家アントワン・ボイガー、ユルク・フレイ、ラドゥ・マルファッティ、マンフレッド・ヴェルダー、マイケル・ピサロの各々の作品と方向性に焦点を当て、彼らが沈黙、環境、演奏家という3つの要素にどのように取り組んできたか、そしてこれらの要素をどのように関連づけて作曲をしているのかという点について論じてみました。

その下書きとして、過去にいくつかの関連エッセイや音楽評をこのブログに漫然と掲載してきましたが、今回は「沈黙」「環境」「演奏家」というポイントに沿ってそれらの草稿からポイントを絞り出し、5人の作曲家の作品をこの3つのポイントに関連づけて論じることに焦点を当ててみました。元々、まず日本語で仕上げてから英訳するつもりだったのですが、後半から英語に切り替えて、最終的に英語8400字の評論文として完成させました。日本語版は、いつか別の機会に改めて完成させる予定です。これだけ長い突っ込んだ評論文を書くのはずいぶん久しぶりでしたが、自分にとって最も深く共感できるヴァンデルヴァイザー派の音楽について以前から考えてきたことや、各々の作曲家の取り組み方や方向性の違いなどを、今回じっくり掘り下げて書くことができて、とても満足しています。

「surround」は、米国の巨大音楽掲示板「I Hate Music」の主宰者マーク・フローンの企画編集のもとで、海外の音楽ライターや評論家による様々なジャンルの実験的音楽に関する寄稿を掲載していくウエブマガジンです。

http://surround.noquam.com/