久々の料理話 Fish & Chips

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昔、オーストラリアのシドニーにいた頃、路上で売っている2ドル位のフィッシュ&チップスがとても美味しくて、毎日のように食べていた。使われる白身魚は、本場イギリスのフィッシュ&チップスと言えばタラやカレイだが、オーストラリアのフィッシュ&チップスは主にサメで、こちらの方が味が引き締まっていて美味しかった。タラやカレイだと、味が淡白すぎるのと、柔らかすぎるせいか食べていると身がほろほろと崩れてしまうので、個人的にはイギリスのあっさり系のフィッシュ&チップスより、オーストラリアの肉厚なフィッシュ&チップスの方が美味しかったと思う。

サメに似た食感の白身魚でニューヨークで手に入るもの…ということで、新鮮なナマズ(catfish)の切り身を買ってきて、フィッシュ&チップスに挑戦。アメリカ南部でも、ナマズのフライというのはポピュラーらしい。ナマズに塩こしょうとガーリックパウダーと酒で下味を付けておき、衣にはスパイスで味付けした天ぷら粉を使って揚げてみたら、衣はかりっとして中身はジューシーでふんわりしたフライになり、シドニーで食べたフィッシュ&チップスにかなり近い仕上がりになった。魚と衣にそれぞれ酒とスパイスで下味をつけておくのと、天ぷら粉と水を混ぜる時に酒とコンソメの素を少々加えるのと、揚げたてのフライに熱いうちに塩を振るのが、しっかり味をつけるためのコツ。これなら、レモン汁をかけるだけで十分美味しい。

■フィッシュ&チップスの作り方(2人分)


1)ボールに天ぷら粉カップ1、塩小さじ1/2、ガーリックパウダー少々、オニオンパウダー少々、カイエンペッパー少々、ベイリーフの粉少々を混ぜておき、これにコンソメの素を溶いた水と酒大さじ1を合わせてカップ1にした液を混ぜて、ラップをして冷蔵庫で15分から1時間程寝かせておく。

2)ジャガイモ(Yukonポテトが美味しい)中2個は1cm角の細切りにして、水に数分付けておいた後に、水気をよく切って乾かしておく。

3)ナマズの白身2切れはよく洗い、ペーパータオルで水気を取ったら、両面に塩こしょう、ガーリックパウダーを振り、さらに酒大さじ1を振りかけて、20分ほど冷蔵庫内に置いておく。

4)中華鍋など深鍋に油を多めに入れて熱し、中温でジャガイモを2〜3分揚げて取り出す。その後、油を高温に熱し、ジャガイモを再び2分程揚げる。揚げた後にすぐ塩を多めに振っておく。(2度揚げが、かりっと仕上げるポイント。)

5)下味のついたナマズにコーンスターチ(または片栗粉)を薄くまぶし、(1)の衣をつけて、高温に熱した油で4〜5分揚げる。揚げた後に塩を振り、ポテトフライと一緒に盛りつけ、レモンを添える。

■追記

サメとかナマズとかマジですか…などとギョッとされそうですが、白身魚というのは切り身(フィレ)になって並んでいると、実はどれも同じようにつやがあって美しいものです。ナマズもサメも姿形からは想像もつかないほど、意外にも繊細な味と食感です。ただし、ナマズは必ず新鮮な切り身を使うことが肝心。もちろん、白身魚であれば何でもフライに合うと思います。ニューヨークで新鮮な魚介類を買うなら、ビレッジやミッドタウンにあるCitarellaというスーパーがおすすめ。天ぷら粉は日系スーパーでしか買えませんが、揚げ物に使うには最適なので、あると重宝します。スパイスや塩こしょうはやや多めかなというくらいで、ちょうどよい味に仕上がります。各種のハーブと酒(本場のフィッシュ&チップスはビールを衣に混ぜるらしい)、ガーリックパウダーを加えるのが、魚臭さを消すのと、味を引き締めるポイントです。