2日目ですが


そもそも「ノー・ファン・フェスティバル」に行こうと思ったわけは、NYでメゴのミュージシャンを聴ける数少ない機会だし、ピタとジャズカマーのメンバーとの共演というのもぜひライブで聴きたかったからで、はっきり言ってアメリカのノイズバンドなんてどうでもよかったのだ。…にしても、メインのピタやジャズカマーを聴くためにはどうやら深夜過ぎまで待たなくてはならないみたいだし、困ったものだ。まあジャズカマーは前に恵比寿のミルクでライブを観たことだし、あのゾンビ群衆の中にもう一度戻るなんて考えただけでも頭痛がしてくるし、今日はパスするかなあ。明日のピタは夜8時に空港に到着してから直接駆けつけるそうだけど、それって演奏が始まるのは深夜過ぎですよね、早くても。むむむ。それにしてもノルウェーやウィーンの洗練されたエレクトロニクスノイズ・アーティストを、こういうオドロオドロしい世紀末ゾンビの祭典みたいなフェスティバルでしか聴けないなんて、それ音楽の聴き方まちがってるよアメリカ人、と言いたくなる。日本の方がメゴの正しい扱い方を知っているように思えたり。せっかく一昨日のラディアンのライブで心が洗われたようなすがすがしさを味わえたのに。アメリカのゾンビノイズ集団に比べたらラディアンなんて天上の天使みたいな存在だ。やっぱりウィーンはいいなあ…。

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ブルックリンのレッドフックで浴びた熱血ゾンビノイズ集団の火の粉を頭から振り払うために、今日は一日部屋でブラームスの「クラリネットとピアノのためのソナタ」を聴いている。クラシック音楽が一日中かかっていた日本の喫茶店のコーヒーの味を思い出しながら、ああいう日本のほんわかした平和な空気はほんとニューヨークにはないよなあ…と今さらながらに懐かしく思ったり。違和感のあるものを経験するというのは、それだけ自分にとって必要な空気をあらためて強く感じられるということで、ゾンビを見たおかげで天使の姿が見えるようになるとか、たぶんそういうことなのだろう。

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ブルックリンの埠頭で繰り広げられている地獄絵と化したノイズゾンビの祭典ノーファンフェスティバル2日目では、最初のゾンビ…いやバンドがまずステージ上で○○を吐きちらし(おいおいよせよ)、続くバンドは動物愛護を叫びながら動物虐待の映像を流していたらしい(と見てきた人の報告より。)そういえば初日にキャンセルしたスイスのバンドも、演奏の代わりに東京で撮影したというフィルム映像を流していたらしいけれど、これは日本人の女の子3人に強い酒を飲ませた後に彼女たちが嘔吐する様子をえんえんと映していたとか。(←見なくてよかった。)会場はスモークの煙が立ちこめていて、後ろの方からはステージもろくに見えない状態らしい。アーストワイルの盤にも参加しているボストンの某ミュージシャンは念願かなって観衆の中へダイビングしたとか。ちょっとそういうことしそうにない人なんで驚きました(汗)。

今夜はトニックでシカゴのTV PowとウィーンのBoris Haufが共演するというのでそれを聴きに行って、その後もし余力があったらノーファンフェスティバル最終日も覗いてくるかも。なんだかんだとけなしながらもこの世の終焉を見届けたいという好奇心もあったりして。(というか肝試し。)でもやっぱこわいから行かないかも。