数週間前から健康上でちょっと気がかりなことがあったので、医者のところに行って、さらにそこで紹介された二人の専門医のところで精密検査を受けてきた。レントゲンと音波検査の結果はシロ。とりあえず心配のもとはなくなったので、ほっと一安心。マンハッタンのアップタウンの医者というのは、世界で最高水準(特にガンの治療は世界一だとか)というけれど、医療費はものすごく高い。結果がシロだったので海外旅行保険は下りないことになり、全額8万円!を払うはめに…(涙)。でもまあ、とにかく病気ではなかったのだし、これからは健康にもっと気をつけて、仕事もがんばってお金を貯めよう、と志も高まったことだし。

それにしても、アメリカでまともに医療を受けるためには、交渉上手でなければならないのを実感した。医者の指示にそのまま従っていては、2ヶ月後の予約でしか検査を受けられないけれど、「そんなあー!今すぐ検査を受けられるようになんとかしてくださいよっ!」としつこく頼むと、「それなら、○○というドクターのところに電話してみれば、すぐに予約が取れるかもしれません」とさらなる情報を小出しに教えてくれる。そのおかげで、当日の午後に同じアップタウンの医師の検査予約を取ることができた。はいそうですか、とおとなしく聞いていたら来年の1月まで検査を受けられなかっただろう。医療を受けるのも商売と同じで、根気よく交渉をしなくてはニューヨークでは生き残っていけないのだ。

こうしていやがうえにも前向きに元気に生きていかなければ生命も生計も保てないという危機感があるからこそ、ニューヨーク人はタフで強いのかもしれない。日本では収入がほとんどなくても国民健康保険で医療は受けられるし、さほど危機感がなくてもなんとか生存できたけれど、あの頃の自分は甘かったなあ…と今になると痛感する。うん、強くならねば、とこうして思えるのはよいことだと思う。