というわけで、さっそくビザ申請に必要な健康診断を受けに行ってきました。身長を測ったら、高校を卒業した頃から2センチも伸びていたのでびっくり。大人になっても背は伸びるのですね。

あと視力検査を受けたら、テレビとパソコンの画面をほとんど一日中見ていなければならない仕事を過去に十数年続けてきたせいで一時は0.2まで落ちた視力が、なんと両目とも1.2にまで復活していた。当てずっぽではなく、あの小さな○の穴がほんとに見えたのである。今はテレビは見ないけれどパソコン画面はかなり長時間眺めているので、この視力回復は奇跡である。

そういえば、ケルンとベルリンで撮影していた時、コンタクトレンズを日本に忘れてきてしまったので、マニュアルフォーカスでピントを合わせるのに、ものすごい苦労をしたけれど、もしかしたらあの異常なまでのピント合わせの努力のおかげで、目の本来のピント合わせの機能が鍛え直されたのだろうか。(そんなことがありうるのだろうか。)たしかにファインダーを通して、なんとか被写体をはっきりくっきり見えるようにならねばっ、とがんばっているうちに、少しずつピントを合わせるポイントが見えるようになってきたような気もする。ベルリンのフェスティバルの最終日に、「あのさあ、そのカメラ、たぶん視度調節ダイヤルがついてるから、コンタクトなくてもピント合わせられると思うよ」と、死にものぐるいでピント合わせに奮闘している私に向かって、おずおずと教えてくれたクリストフ・アマン(なんでもっと早くに教えてくれないんだ?)の一言はもう遅すぎたけれど、代わりに私の目の機能が復活してくれたので、めでたしめでたしということで。

今日は桜田門の警視庁(もちろん行くのは初めて)に行き、渡航証明という手続きをしてきた。指紋を採って、日本での犯罪歴はありませんよと、アメリカに証明する手続きである。警視庁というのはおっかないおじさんたちが目をぎろぎろさせているのかと思ったら、担当のおじさんはとても穏やかでにこやかな人で、これもびっくり。日本の警察官というのは、ニューヨークのポリスみたいに今にも銃を構えて撃ち合いを始めそうな物騒な雰囲気がないので、やはり日本は平和な国だなあ…と改めて実感した。